歯周病の治療をすると歯が長くなります。これは歯周病治療の宿命みたいなもので、治療ミスではありません。
しかし、「膿や痛みは無くなったのは良いけれども、歯が長くなったのは納得いかない!」というトラブルは残念ながらよく聞きます。
「歯ぐきが引き締まった分、歯は長くなる」ということを、患者さんはぜひご理解下さい。
「歯が動く、血が出る、膿が出る」を主訴として来院されました。

一見、状態が良いように見えますが、歯を支える骨は本来の半分くらいに少なくなっています。
「歯ぐきを引き締めれば、膿が出なくなり、動きも少なくなります。ただし、歯は長くなります。」と説明し同意を受け、歯石除去の後APF(歯肉弁根尖側移動術)を行いました。保険治療です。
術後3週間です。

残念ながら歯が長くなりました。しかし、化膿した歯ぐきをなくし、それでいて硬い歯ぐきを温存しています。
3週間ごと3ヶ月後との比較です。

前歯のすき間が無くなってきたのがおわかり頂けるでしょうか。
確かに歯は長くなっています。しかし、それだけ歯ぐきは硬く引き締まっています。
すると、歯は本来の位置に戻る場合があります。
審美と歯の連結固定を考えるならばかぶせ物でつなげるべきです。
しかし、歯を削ると虫歯になりやすいからこのままでいくか、患者さんは悩みます。
本来のオプションに入っていた矯正治療も、悩んでいます。
医者の立場からいえば矯正も連結固定もしたい所ですが、状態が良くなればなったで悩みが増えます。
posted by 清水 信行 at 23:37|
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歯周病・インプラント
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