
欧米人にその業績と名声を奪われた日本人は何人も存在します。この天才もそのような人の一人でした。
歯科矯正治療期間を短縮する コルチコトミー という治療法があります。
数年前から話題となり、アメリカ人が自分の名前を治療法につけ、日本でも講演したことがあります。
このアメリカ人にこの天才の症例と過去の講演発表を見せた所、 Same(同じだ) と認めてもいます。
この天才は現在話題となる治療法を20年以上前に開発し発表していました。
また現在、画像診断機器を用いて顎の関節(下顎頭)の位置をしらべ、正しいと思われる位置を診断し、顎関節症の治療・咬合治療に役立てようとする治療法も話題となっております。
この天才は、この治療法も20年以上前に開発し、発表していました。
しかし、時代が彼に追いついておらず、少数の理解者しか得られないまま、先日ご逝去されました。
その天才の名は 寿谷一(すや はじめ)。
1983 年、アメリカでもっとも歴史と権威のあるThe American Academy of Restorative Dentistry の正会員に東洋人初・史上最年少でなった方です。
11月2日に寿谷先生を偲ぶ会が開かれました。
約40名の出席者ではありましたが、その中には矯正や歯周病では名の知れた、各地で講演やセミナーを開催されている先生方が多数出席されていました。
この寿谷先生から直接指導を受けた先生方の顔ぶれを見れば、寿谷先生の業績と影響がうかがえます。
私は寿谷先生から直接指導を受けたことはありません。孫弟子です。
私自身は幸運なことに、今は製造されていない先生の開発された
顎関節X線規格撮影装置サジタリウス を手に入れ、咬合治療・顎関節治療に生かすことができました。良好な治療成績を収めていると思います。
時代を早く行き過ぎた天才の、早すぎるご逝去を心より悼みます。
posted by 清水 信行 at 09:49|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
日記
|

|