入れ歯・義歯 専用サイト 開設しました。 外科手術に恐怖を感じる方に、どのような治療をしたら良いか? 保険診療の入れ歯ではとても満足できないが、さりとて インプラントでは高額すぎるという方に、どのような治療を提示したら良いか? 悪くならない治療ではなく、悪くなっても対応できる治療法は無いか? このような疑問に応える為に、このサイトを開設しました。 よろしければご覧ください。保険診療の症例もあります。

2009年09月22日

「歯周病菌を殺菌する水」について (浜松市 歯周病 インプラント 矯正)

ユーチューブで「歯周病菌を殺菌する水」を見ました。
「菌を少なくする」 ということに関してすばらしいという感想を持ちました。
しかし、「歯周病が治る」と言いきってしまうことには、少し疑問を感じました。
テレビに出ていた症例も、画面下の方に「インプラントを用いています」と書いてありましたし、おそらく残存歯にも外科処置を施していると思われるからです。

マスコミはセンセーショナルな見出しを付けないと視聴率がとれないので、「治る」と断定的にいわなければならないのでしょう。

ちなみに、 うがい薬と飲み薬で菌を少なくし、歯ぐきを引き締めた症例 もこちらにあります。
テレビでやっていた、 菌が少なくなった映像 もこちらにあります。
(自分でも「治す」という単語を使っているので、直さなければいけません。)


「歯周病菌の潜む本拠地を無くす」 ためには、やはり昔ながらの 

徹底した歯石除去 
歯ぐきを引き締めて歯周ポケットを浅くする 
骨の形態異常(垂直的骨欠損)を無くす 
硬い歯ぐき(付着歯肉)の幅を増やす


ということになるのではないかと思います。
すると、どうしても外科処置という患者さんにはイヤ〜な治療になってしまいます。
そして歯が長くなることもあります。

当医院で質問をされた患者さん、以上でよろしいでしょうか?

マスコミを見ていて思うことは 「断定口調が多い」 ことです。
断定口調の方が、自信に満ちあふれた信頼感のある強い人に見えます。
そしてその内容も、唯一絶対の真理の様に聞こえます。
しかし、物事には必ず例外事項がつきまといます。
ですから、患者さんの期待に添える話ばかりにはなりません。
この仕事は他人に不快な話をしなければならない職業ですが、悪気があって言っているわけではないことを、皆様ご理解下さい。





posted by 清水 信行 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病治療の流れ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月20日

「歯周病菌を殺菌する水」について (浜松市 歯周病 インプラント 矯正)

歯周病に効く水」 がテレビで放映されました。残念ながら私は見ていません。
当医院では数名から質問が有りました。
当医院ではこのように考えています。

1.歯周病が治るのですか?
まず、何をもって「治る」とするかです。
患者さんは下がってしまった歯ぐきや骨が10代20代の頃の様になることを期待されているようです。しかし残念ですが、それは有りません。
「歯周病菌を殺菌する水でのうがい」に限らず他の治療法でもそのように治ることは有りません。
浜松市 インプラント 歯周病 矯正このように下がった歯ぐきが浜松市 インプラント 歯周病 矯正このように元に戻る治療はないのです。もちろん人工物でこのような見た目と機能を作ることは場合によっては可能です。

歯ぐきが化膿しにくい状態で安定しており歯が機能を果たしている状態をもって、学問的では有りませんが「治った」ことと当医院ではしています。(学問的だとアタッチメントレベルをあげるということでしょうか?はずかしながら私にはわかりません。)
「歯周病菌を殺菌する水でのうがい」だけでは「化膿しにくい歯ぐき」にはならないと思います。

2.全く効果がないのですか?
そんなことは無いと思います。次亜塩素酸というハイターにも使われている消毒液ですから菌は当然少なくなります。ですから歯ぐきから血や膿が出たりすることは少なくなると思います。しかし、一時的なものと思います。
なぜなら、うがい薬がとどく範囲は歯や歯ぐきの表面であり、歯周ポケットの深い部分にひそむ歯周病菌までにはとどかないからです。
歯周ポケットの深い部分(垂直的骨欠損部)の中で生き残った歯周病菌は、殺菌水やうがい薬が無くなれば再び増殖します。
垂直的骨欠損 浜松市 インプラント 歯周病 矯正 垂直的骨欠損 浜松市 インプラント 歯周病 矯正 歯周ポケット 浜松市 インプラント 歯周病 矯正


歯周病菌との戦いを戦争に例えると
いくら敵の艦隊や軍団を殲滅しても、敵の本国が健在ならば後から後から援軍がやってくる、ということです。
殺菌水・うがい薬は目の前の敵を倒すことはできても、敵の本国(垂直的骨欠損部)を倒す(無くす)ことはできないと思います。
よって効果はあるが一時的と思います。
当医院でもうがい薬は出していますが、治療の補助であったり、メンテナンスの一つという位置づけです。

3.注射器で歯ぐきの中に入れれば効くのでは?
このような治療法は有ります。効果もあります。確かに歯周ポケットの深い部分(垂直的骨欠損部)に直接流し込めば歯周病菌が少なくなると思います。しかし、歯周病菌が繁殖しやすい環境はそのまま残るのですから、菌は増殖して再発すると思います。

以下次号
posted by 清水 信行 at 02:16| Comment(1) | TrackBack(0) | 歯周病治療の流れ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月22日

「X線は怖い」と思っている方へ

「X線・放射線に当たるとガンになる。だから撮らないで下さい。」
こういう方は結構いらっしゃいます。

当医院のX線1枚あたりの放射線量は  0.003mSV です。
それに対し、「東京・ニューヨーク航空機往復」は  0.19mSV  です。
なんと 飛行機は 「63枚分」の放射線を 「全身」 に浴びているのです!!
しかし、パイロットやスチュワーデスがガンや生殖不良になったという話を聞いたことはありません。

歯医者のレントゲンを怖がっていたら、飛行機にも乗れませんし、発癌物質が入っている口紅を唇という粘膜にも塗れませんし、魚の焦げもゼンマイも食べられません。
結局はX線・放射線の量の問題なのです。

いっけんそれほど悪くないように見えて、骨が全くなくなっている歯周病というのもあります。
X線はその判断に非常に役立ちます。

08-1022-01.jpg
これはパノラマという写真です。
あごの関節や埋まった親知らず下あごの神経の管など大雑把にわかります。虫歯や骨の無くなりもある程度わかりますので、歯周病が軽度の人はこれ1枚で済ませることが多いです。
しかし、歯周病治療や虫歯治療を徹底的にするにはこれでは不十分です。
08-1022-02.jpg
デンタルと呼ばれる小さな写真を14枚撮ったものです。
これだけ撮って初めて診断が下せます。
しかし、 医療費抑制の関係 ですべての人にこれだけ撮影をすることはできません。
「虫歯を確実に見つけたい方」 「歯周病を徹底的に治療したい方」 のみに行っています。
posted by 清水 信行 at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病治療の流れ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月11日

歯ぐきの下の歯石とり(浜松市 歯周病 インプラント)

「定期的に歯石をとりに行っているのに、歯ぐきがたまに腫れることがあるのよね〜」
こういう方は、ひょっとしたら見えない歯ぐきの下に歯石が残っているのかもしれません。

歯石の除去がある程度終わった患者様です。
一見歯茎はしまったように見えるのですが、歯ぐきに器具を差し込むとズブズブと入り込み、歯ぐきがまだ腫れているのがわかります。

歯ぐきの腫れが4mm以上ある場合、歯ぐきをめくらなければ歯石は取れないのです。

手術直前の写真です。
08-0611-01.jpg

歯ぐきをめくったところです。こげ茶色の部分はすべて歯石です。
歯ぐきによって歯石が隠されていたのです。これではいくら普通に歯石とりをやっていても、なんとなく膿んだ状態が続いてしまいます。
08-0611-02.jpg

歯石を取ったところです。
08-0611-03.jpg

いざ写真を撮ってみると膿んだ肉(肉芽)が少し残っています。反省すべき点です。

歯周病のひどい人は、ちょっと怖いかもしれませんが、歯ぐきをめくらないと、歯石を取りきれないことが多いことをご理解ください。



オペラデンタルは現在、歯科医院の口コミサイト・デンターネットに参加しています。
皆様のお陰で現在、浜松市中区で5位です。
「オペラデンタル、いいよね」と思っていただいた方はこちらからデンターネットにアクセスしていただいて、オペラデンタルの右側にある「HP」というボタンをクリックしてください。



オペラデンタルオフィス

 日本補綴歯科学会専門医

静岡県浜松市にある日本補綴歯科学会専門医(インプラント・入れ歯・差し歯など口腔機能回復の専門医)の歯科医院。
入れ歯、特に部分入れ歯を専門に勉強してきました。
現在ではインプラントと歯周病に力を入れております。
しかし、インプラントは外科治療であるため、糖尿病・高血圧・高齢・その他全身疾患を持つ患者様は避けた方がよい場合があるのも事実です。
入れ歯、歯周病、インプラント、ホワイトニングに関するご相談のある方はご連絡下さい
衛生士さんを募集しています!
ぜひご連絡下さい!
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2008年02月18日

歯周病治療の流れ8:スケーリングとSRP

精密検査が終わり、抜歯すべき歯もほぼ決まりました。
精密検査の後に患者さんと第1回目の相談をし、残せそうにない歯、がんばれば残せるかもしれない歯、確実に残せる歯の説明をします。
残せそうに無い歯はできるだけ早期に抜歯した方が治療はうまく進むケースが多いです。
しかし、人間の感情はそこまで合理的ではありません。
そこで、状態が良くないのを承知の上で基本的な治療を初めていきます。
基本的な治療である程度の炎症を抑えるのです。

まずはスケーリングです。
これをやった事がある方は多いと思います。
見える部分の歯石をとっていきます。

静岡県のルールでは上下同時に行ってはいけないので最低2回かかります。(県によって多少違う。)
歯ぐきの傷が治まるのに1週間待ちます。

再び歯ぐきの検査をして、今度はSRP(スケーリング・ルートプレーニング)を行います。
これも歯石除去ですが、最初のスケーリングとは少し違います。
麻酔をして、歯ぐきに隠れた見えない部分の歯石をとるのです。
見える部分の歯石取りは多くの方が経験していると思いますが、麻酔をかけて歯茎の中の隠れた歯石まで取ったことがある方は少数派であると思います。

麻酔は病院の負担です。
麻酔を使うと診療報酬は同じなのに経費はかかるのですが、良い治療のためには仕方が無い。
良い治療をすると収益が減ると言うのが保険治療の問題点です。

歯がすべて残っている方の場合、この麻酔をかけて歯ぐきの中まで歯石を取るSRPを6回かけて行います
「1回でできないのですか?」
と聞かれることがありますが、2つの点で無理です。
1つ目は人はそんなにも長時間、口を開けていられないということ、
2つ目は保険のルール上、6回に分けなければならないと言うことです。

日本の歯科医療の患者さん負担金は世界平均と比べて、異常とも言える位安いのです。
安くて多くの方が診療を受けられる反面、条件やルールがあることをご容赦ください。

麻酔をして歯ぐきの深い所にある隠れた歯石を除去しました。
しかし、これだけやっても、まだ、除去しきれていないのです!!
歯ぐきの縁から4mm以上深い所にある歯石は誰がやっても取りきれないのです。

よってこの後、本格的な歯周病の手術が始まります。



オペラデンタルオフィス 日本補綴歯科学会認定医

静岡県浜松市にある日本補綴歯科学会認定医(入れ歯・差し歯の認定医)の歯科医院。
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現在ではインプラントと歯周病に力を入れております。
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2008年01月30日

歯周病治療の流れ7:歯周病に侵された顎の骨をどうしていくか(浜松市 インプラント 歯周病)

歯周病治療で歯石の除去はされたことはあると思います。
歯についた異物を取って炎症をなくしていくための行為ですので、非常に大切なことです。
しかし、骨に凹凸が合ってはそのくぼみに再び歯石やプラーク(歯垢)がたまってしまいます。
そこで今回は、歯周病治療では骨をどのようにしていくかを説明します。
(コンピューターできれいな図を作ろうとしたのですが、挫折しました。
患者さんへの説明に使った図をスキャナーで読み込んで使用することにしました。)

歯周病の骨のなくなり方には2種類あります。
一部分の骨が無くなる垂直的骨吸収と、全体的に無くなる水平的骨吸収です。

08-0128-01.jpg 08-0128-02.jpg
一般の方が見ると「水平的骨吸収の方が歯を支えている骨が少ないので悪いのでは?」と考えると思います。
しかし実際は逆なのです。
水平的骨吸収では歯石やプラークがたまる窪みが無いので、これ以上悪くなりにくいのです。
とはいえ、歯を支えている骨の量が少ないのは事実ですので、かぶせ物で歯を連結して固定し、動かないようにすることが多いです。
それに対して垂直的骨吸収は、窪んだ所に歯石・プラークがたまり、化膿し、漸次悪化していくのです。
よって、「いかに骨の窪み(垂直的骨吸収)をなくして骨をなだらかな形(水平的骨吸収)にしていくか」ということが大切となってきます。
歯周病の治療は「骨の平坦化」にあると言えます。

ただし、水平的骨吸収でも、骨から歯肉辺縁までの距離が長いと、歯と歯肉の間にプラークがたまり、化膿します。

08-0128-03.jpg

この歯と歯肉の間の隙間を「歯周ポケット」といいます。
この場合は歯肉を切除して歯周ポケットをなくし、歯石やプラークが入り込まない状態にします。
歯周病の治療は「歯周ポケットの除去」にあるとも言えます。
ちなみに垂直的骨吸収があればその部位がそのまま歯周ポケットとなります。

「骨の平坦化」を実現するための治療方法には2種類あります。
「保険でできる方法」と「保険外の治療方法」です。

次回は「骨の平坦化のための治療方法」を説明します。

今日のポイント
歯周病治療の目標
1.骨の平坦化
2.歯周ポケットの除去



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2008年01月09日

歯周病治療の流れ6:どんな歯は残せないか

どうしても残せない歯、残すと他の歯に迷惑をかける歯というものがあります。
患者様の同意がなければ抜歯できないですが、抜いたほうが良い歯を無理に残していると以下の様な事が起こります。

1.隣の歯を支えている骨まで溶かしてしまう。
2.しょっちゅう腫れや痛みが出る。
3.入れ歯やかぶせ物を入れるために手をつけると抜けてしまうため、それらを装着することができない。よっていつまでたっても治療が終了しない。


では、どんな歯が残せないでしょうか。
あくまで目安として以下のような状態は抜歯したほうが良いのではと、患者様には説明しております。
(患者様の同意が無ければ抜歯はできませんが、以下の条件の歯を残そうとすると、治療がなかなか先に進めないことが多々あります。)


1.歯を支える骨の量が歯の根の1/3以下しかない。
2.ポケット(歯茎の頂点から骨までの距離)の深さが8ミリ以上
3.歯を上から押すと沈み込み、指を離すと元に戻る
4.止まりかけのコマの様にグラグラ動く
5.奥歯には1本の歯に対して根の数が2〜4本あるが、その根の股の部分に骨が全く無く(根分岐部病変のLindheの分類3度)、かつ、歯が前後的に動く。または横方向へ1〜2ミリ程度動く。
6.極度におかしな位置にある歯。
7.極度に傾いてしまった歯。
8.虫歯で崩壊している歯。
9.大きな膿袋のある歯。

言葉で説明するのは難しいため、近いうちに写真や図で説明しようと思います。


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2008年01月07日

歯周病治療の流れ5:口腔内写真と歯ぐきの検査(浜松市 インプラント 歯周病)

検査の残りは口腔内写真と歯ぐきの検査です。

口腔内写真とはこれです。
08-0102-02.jpg 08-0102-01.jpg 08-0102-03.jpg
08-0102-04.jpg 08-0102-05.jpg
大抵はこの5枚で十分ですが、より詳しく知りたい場合、各部位のアップ写真を撮ります。当医院の場合12枚程度撮ります。
一般の方にとってはレントゲンよりも病気の状態を理解していただける場合が多いようです。
しかし、一見歯ぐきに問題がないように見えても、外部からは見えない歯を支える骨は大きく吸収している場合もあるので、やはりレントゲンは必要になってきます。

歯茎の検査とは、骨が何ミリ程度なくなっているか、歯茎はどの程度腫れているか、硬い歯茎はどの程度あるか、といったことを調べる事です。
検査結果の例
08-0102-11.jpg 08-0102-12.jpg
赤い部分が歯ぐきの頂点から骨の頂点までの距離を表しています。
1メモリが口の中で2mmを示します。歯ぐきが健康な人は赤の幅が1メモリです。赤の幅が大きいほど骨がなくなり、なおかつ、歯茎が腫れていることを表します。赤の面積が大きいほど歯周病菌のすみかが広いということになります。
青い部分は硬い歯ぐきの幅です。これは多ければ多い程、治療に有利となります。
ただし、軽度の歯周病の方はこの検査までは行いません。
もう少し簡便な検査で事足ります。

これくらいの検査資料を集めた上で、どうしても残せない歯・残すと他に悪影響を与える歯はどれか、どの程度歯が残せるのか、を考えていきます。

次回は「どんな歯は残せないか」という事を書こうと思います。


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2008年01月06日

歯周病治療の流れ4:2種類のレントゲンによる検査(浜松市 インプラント 歯周病)

前回
1回目:レントゲン(パノラマ デンタル14枚)、口腔内写真、模型
2回目:歯ぐきの検査、歯磨き指導
と書きました。
その説明をします。

テレビの医療ドラマを見ていると患者様が
「検査、検査ってぜんぜん治療してくれないじゃないか!さっさと帰らせろ!でなきゃ早く治療しろ!儲ける為に検査漬けにしやがって!!」
と声を荒げるシーンがたまに見られます。

しかし、検査こそやはり大切と思います。
「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」といいます。
また、「戦略の失敗を戦術で補うことはできない」ともいいます。
敵(病気)の大きさを見誤ると、明らかに残せない歯に何度も治療をすることになりますし、最終的にどうするかという計画に誤りがあると一つ一つは良い治療でも全体的にはうまくいかないということもあります。
検査とは「敵を知る行為」に他なりません。
面倒くさがらず、検査を受けることをお願いいたします。

レントゲンには何種類かありますが、とりあえず2種類はどうしても必要です。パノラマとデンタルです。
パノラマpano.jpg デンタル14mai.jpg
パノラマは全体を大雑把に見ることができます。また、上顎洞(蓄膿症で膿がたまるところ)や下顎管(下あごの神経が走る管)といった歯以外の重要な器官の位置も確認できます。
デンタルは1枚あたり2〜3本の歯しか写せません。
しかし、デンタルはパノラマより詳しく歯や歯を支える顎の骨の状態を知ることができます。
歯が全部残っている人の場合14〜18枚程度必要になります。
放射線量は全く問題ありません。参考1参考2
これら写真を使って、残せそうにない歯や、術前術後でどの程度変わったかの比較を知ることができる様になります。

少し長くなったため、いったん終了します。
次回は口腔内写真と歯茎の検査についてです。


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2008年01月05日

歯周病治療の流れ3:治療の流れ(浜松市 歯周病 インプラント)

とりあえず痛いところをなくします。
そして歯周病の治療に入っていきます。
以下は保険のルールに則った順番とお考え下さい。

1回目:レントゲン(パノラマ デンタル14枚)、口腔内写真、模型:これだけで45分から1時間位かかると思います。

2回目:歯ぐきの検査、歯磨き指導:これだけで45分くらいはかかると思います。

3回目:第1回目の相談:どの程度の治療になるか、期間、治療費、残せない歯はどれか等を相談します。ただし、この段階での計画はまだ、たたき台と思ってください。

4回目下(もしくは上)の歯の歯石除去(スケーリング)
5回目上(もしくは下)の歯の歯石除去(スケーリング)
患者様は「上下1日でやれば回数がすくなくなるじゃないか」と、よく質問されます。
しかし、これは技術の問題ではなく、法律・制度の問題であることをご理解ください。

少なくとも1週間間を空けて
6回目:歯ぐきの検査、および歯ぐきに隠れて見えない部分についた歯石の除去(SRP)をおこないます。
SRPは歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に器具を入れて、見えない部分から歯石を除去するため、そのまま行うと痛みます
そこで麻酔をして歯石除去を行います
麻酔には保険の料金がないので病院の自腹となります。良い治療すると逆に利益が少なくなるということになりますが、しかたありません。
これを6回行います。全体の6分の1ずつしか治療してはならないというルールがあるからです。もっとも1日でそれ以上やろうとすると口が疲れてしまいます。(6回目〜11回目)

2週間以上あけます。歯ぐきの治癒を待つためです。
12回目:歯ぐきがどの程度改善したか検査をします。45分くらいかかると思います。

まだまだ続きますが、いったん終了します。

次回は
1回目:レントゲン(パノラマ デンタル14枚)、口腔内写真
2回目:歯ぐきの検査
がどの様な物かを説明します。


オペラデンタルオフィス 日本補綴歯科学会認定医

静岡県浜松市にある日本補綴歯科学会認定医(入れ歯・差し歯の認定医)の歯科医院。
入れ歯、特に部分入れ歯を専門に勉強してきました。
現在ではインプラントと歯周病に力を入れております。
しかし、インプラントは外科治療であるため、糖尿病・高血圧・高齢・その他全身疾患を持つ患者様は避けた方がよい場合があるのも事実です。
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2008年01月04日

歯周病治療の流れ2(浜松市 インプラント 歯周病)

50代男性。「虫歯が2本あり、その歯にかぶせ物を入れてほしい。」というのが主訴でした。

術前写真です。
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かぶせ物を入れるためには、歯を削って型を取らなくてはなりません。型取りをして歯の模型を作って、その模型の上でかぶせ物を作っていくからです。
しかし、これだけ歯茎が膿んで腫れていると、どこまで歯を削ったかがわからず、型取り材に膿や血が混じって変形してしまいます。
変形した型取り材で作った模型はやはり変形しているので、変形した模型上で作ったかぶせ物は元の歯にうまく入らないのです。

「さっさとかぶせ物を作りゃいいんだよ。あそこの歯医者は歯の掃除ばかりでぜんぜん治療が進まない」という不満を身の回り聞いたことがあるかもしれません。
しかし、「さっさと作る」というのは「基礎建築部分をすっ飛ばす」
という事と同じ
なのです。
「姉歯設計の構造計算だと工期が早く安くできてすばらしい。それに比べてあそこの事務所の設計だと高くて遅くてよくない。」といった不満と同じなのです。

患者様の転勤の都合で少し急いだのですが、それでもここまでくるのに1年かかっています。もっと重症の場合は2年かかることもあります。さらに重症ですと抜歯するより他なくなるので逆に期間が短くなることがあります。
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膿や出血はありません。
しかし、歯は長くなっています。この「歯が長くなる」というのが患者様との意識の違いでトラブルを生みやすいのですが、決して悪いことではないのです。
腫れ上がった歯茎が引き締まるとどうしてもこのような長い歯の状態になるのです。
その他の例(治療途中)
「なぜ長くなるのか」ということに関しては後日書いていこうと思います。
今の所は「歯周病治療で歯茎が引き締まると歯が長くなる。」ということをなにとぞご理解ください。
次回は「治療の順番・回数」について書こうと思います。


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2008年01月03日

歯周病治療の流れ1:治療の流れ(浜松市 歯周病 インプラント)

治療には限界があります。
「歯周病の治療をしてほしい」という主訴で来院されても、抜歯せざるを得ない状態のものも多々あります。
「治療してくれれば元通りになれると思ったのに・・・」とおっしゃってそのままお帰りになった方もいらっしゃいました。

歯周病で歯を支える骨がなくなった場合、一部分の骨を作ることはできますが、全体的には元の骨の量に戻ることは決してないのです
「治る」という言葉がまったく病気がなかったときの状態に戻すことを意味するのならば、歯周病は「治ることはない」のです。
あくまで、病気の進行を遅くし、機能を回復するだけなのです。

「命に関わらない、たかが歯の治療だから、早く満足いくように治って当然」と考えているととんでもないことで、そんな簡単な事ではないのです。

患者様との意識の違いを少なくし、誤解を無くし、治療により協力していただけることを目的として、何回かに分けて書いていこうと思います。
特に
・治療回数:なぜ期間が長くなるか
・抜歯すべき歯:なぜ抜歯しなければならないか
・どの程度の治療結果か:なぜ歯が長くなるのか
について書いていこうと思います。
治療をしていて一番質問が多いからです。


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しかし、インプラントは外科治療であるため、糖尿病・高血圧・高齢・その他全身疾患を持つ患者様は避けた方がよい場合があるのも事実です。
入れ歯、歯周病、インプラント、ホワイトニングに関するご相談のある方はご連絡下さい
posted by 清水 信行 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病治療の流れ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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