「菌を少なくする」 ということに関してすばらしいという感想を持ちました。
しかし、「歯周病が治る」と言いきってしまうことには、少し疑問を感じました。
テレビに出ていた症例も、画面下の方に「インプラントを用いています」と書いてありましたし、おそらく残存歯にも外科処置を施していると思われるからです。
マスコミはセンセーショナルな見出しを付けないと視聴率がとれないので、「治る」と断定的にいわなければならないのでしょう。
ちなみに、 うがい薬と飲み薬で菌を少なくし、歯ぐきを引き締めた症例 もこちらにあります。
テレビでやっていた、 菌が少なくなった映像 もこちらにあります。
(自分でも「治す」という単語を使っているので、直さなければいけません。)
「歯周病菌の潜む本拠地を無くす」 ためには、やはり昔ながらの
・徹底した歯石除去
・歯ぐきを引き締めて歯周ポケットを浅くする
・骨の形態異常(垂直的骨欠損)を無くす
・硬い歯ぐき(付着歯肉)の幅を増やす
ということになるのではないかと思います。
すると、どうしても外科処置という患者さんにはイヤ〜な治療になってしまいます。
そして歯が長くなることもあります。
当医院で質問をされた患者さん、以上でよろしいでしょうか?
マスコミを見ていて思うことは 「断定口調が多い」 ことです。
断定口調の方が、自信に満ちあふれた信頼感のある強い人に見えます。
そしてその内容も、唯一絶対の真理の様に聞こえます。
しかし、物事には必ず例外事項がつきまといます。
ですから、患者さんの期待に添える話ばかりにはなりません。
この仕事は他人に不快な話をしなければならない職業ですが、悪気があって言っているわけではないことを、皆様ご理解下さい。