28の歯は残念ながら抜歯せざるを得ない状況でした。
26・27は既になく、28は24・25ととも橋げたとなって26・27を作っていました。この治療方法をブリッジといいます。
28を抜歯すると26・27までなくなってしまい、左上の奥歯は1本もない状況となってしまいます。

28は親しらずなので無理に作る必要はありません。26・27は何とか作らなければ咬む力が非常に低下してしまいます。
「入れ歯はいやだ」ということでインプラントを検討したのですが、インプラント(金属の人工歯根)を入れると上顎洞に突き抜けてしまいます。
突き抜けてしまうと鼻の疾患が続くことになってしまいます。
そのため、上顎洞内に骨を作る作業が必要となってくるのですが、大きな外科処置を伴います。

「外科処置は可能な限り避けたい」とのことでした。
痛みをかなり伴うのもさることながら、この方は全身疾患があるため外科処置は禁忌でした。
「この症例でしたら、インプラントよりも費用を抑えて、大きな外科処置をせず、異物感の非常に少ない小さな義歯を作ることができますがそちらはいかがでしょうか。」
と説明し、リーゲルテレスコープデンチャーとすることになりました。

26・27の歯は口の中にありません。23・24・25は口の中にある歯の上にかぶさります。

咬み合う面から見たところです。

この入れ歯にはレバーが着いていて、このレバーを開くと口の中からはずすことができます。レバーを閉めると上の写真のようになりはずれなくなります。

リーゲルテレスコープデンチャーを入れたところです。矢印はない歯の部分を示します。一番奥の歯は唇に隠れています。

義歯をはずした所です。矢印がない歯の部分です。23・24・25は金属のかぶせ物が入っています。義歯が入ると白い歯になります。

義歯を装着した所です。非常に小さいのがお分かりいただけるでしょうか。
「小さくて入れ歯をはめている感じが全くしない。自分の歯のようになんでも噛める。すごく調子がいい。」
と高い評価をいただきました。
機能回復において部分入れ歯はインプラントにその地位を譲りつつあります。
しかし、インプラントは外科治療であるため、避けたほうがよい方もいらっしゃるのも事実です。
「インプラントは難しい」
「インプラントをするためには、骨を作る手術をしなけらばならない。」
「インプラントが完成するまでに外科処置を数回し、1年以上かかる」
と言われた方は当医院のリーゲルテレスコープデンチャーを検討してみてください。
連絡先はこちら
費用は¥890,000(税別)でした。
内訳は以下の通りです。
被せ物の部分 :¥160,000×3本
レバーの部分 :¥50,000×1ヶ
レバー軸部の歯 :¥160,000×1本
義歯の部分 :¥200,000
レバーの部分 :¥50,000×1ヶ
レバー軸部の歯 :¥160,000×1本
義歯の部分 :¥200,000
歯科医師から一言
どんな治療方法にせよ、利点と欠点は必ずあります。
テレスコープデンチャーは入れ歯と被せ物を一体化した形の入れ歯です。
入れ歯という物体が、口の中に入るということが欠点かと思います。
しかし、以下の様な利点があります。
1. 残っている歯の本数が少ないほど(失った歯が多いほど)、治療回数が少なく、かつ、治療費を抑えることができます。
(インプラントや他の治療は残存歯が少ないほど治療費がかかります。)
2. 従来の入れ歯は、バネのかかっている歯がダメになると作り直しをしなければなりませんが、
テレスコープデンチャーは修理して使えます。壊れないわけではありませんが、修理して長く使えます。
3. 従来の入れ歯はバネでひっかけているので動きがありますがテレスコープデンチャーは動きが少ない。
4. 動きが少ないのでよくかめます。
5. 動きが少ないので異物感が少ない。
6. 特別な外科処置、手術を必要としません。普通の歯科治療の範囲でできます。
よって高齢者、高血圧や糖尿病の方、その他の有病者、インプラントをするには難しいと言われた方でもできます。
7. 清掃がしやすい。介護をする方も、される方も非常に楽です。
口の中の衛生状態が、さまざまな全身疾患をひきおこすことが分かってきた現在、これは重要なことと思います。
部分入れ歯症例1
部分入れ歯症例2
部分入れ歯症例3
オペラデンタルオフィス 日本補綴歯科学会認定医
静岡県浜松市にある日本補綴歯科学会認定医(入れ歯・差し歯の認定医)の歯科医院。
入れ歯、特に部分入れ歯を専門に勉強してきました。
現在ではインプラントと歯周病に力を入れております。
しかし、インプラントは外科治療であるため、糖尿病・高血圧・高齢・その他全身疾患を持つ患者様は避けた方がよい場合があるのも事実です。
入れ歯、歯周病、インプラント、ホワイトニングに関するご相談のある方はご連絡下さい。
また新しい技術を教えてくださいね。
私も山本先生のように患者様に優しく、人気のある先生になれますよう、頑張っていきます。