歯周病がひどく、上の歯がまとめて抜けてしまったとのことです。



上は1本も歯が残っていません。
下は左の親知らずと犬歯がかろうじて残せる程度です。
しかし、親知らずは極端に傾いている為、入れ歯のばねをかけることができません。
上下インプラントも計画したのですが、費用の問題および骨の厚みの問題があるため、できませんでした。
歯科の治療において上下どちらかに費用をかけるならば、下顎に費用をかけてください。
上は入れ歯でも比較的何とか咬めるようになります。
下はしっかりしたものを作らないと、なかなか痛みが取れません。
下顎は将来的に犬歯や親知らずも無くなり、総入れ歯になる可能性があったため、1本インプラントを入れました。
これで使える歯は、犬歯とインプラントの2本になりました。
残っている歯が1〜3本ならばレジリエンツテレスコープが非常に良いです。
コーヌステレスコープに似ていますが、残っている歯が1〜3本の時にコーヌステレスコープをすると、歯への負担が大きすぎて、歯にダメージを及ぼすことがあります。
レジリエンツテレスコープは歯への力をあまりかけず、歯ぐきに沈み込むことで入れ歯が落ちないようにする義歯です。
インプラントですべての歯を作るよりも、はるかに費用を抑えることができます。それでいて入れ歯ではあっても動かず、結構噛めます。
2013年12月30日装着です。下の入れ歯がレジリエンツテレスコープデンチャーです。



その後の調整は1回だけでした。
大好きな焼肉、とんかつ、問題なく食べることができたとのことです。
入れ歯を外した下の歯茎の写真です。

向かって左がインプラントです。向かって右が犬歯です。
たとえ犬歯が無くなっても、このインプラントがしっかりしている限り、今回作ったレジリエンツテレスコープデンチャーは問題なく使えます。
この金属の被せ物に下の写真の金属部分がはまることによって、入れ歯が安定します。

下の入れ歯:レジリエンツテレスコープデンチャの費用は 83万(+消費税) でした。
内訳は
インプラント21万
内冠・外冠32万(16万×2本)
チタン床義歯30万
です。
保健の入れ歯と比較したら、非常に高額かもしれません。
しかし、もしインプラント、例えば オールオン4 で行った場合、250万〜300万程度 かかります。
大きな外科処置も必要です。
しかもそのインプラントの内、1本だけがダメになっても、結局全滅になる可能性があります。
そのことを考えると、今回のレジリエンツテレスコープデンチャーはコストパフォーマンス(費用対効果)と安全性が高い治療と言えるのではないでしょうか。