歯が抜けると、たいていの場合ブリッジになります。ブリッジとは欠損した歯の両側を削って、被せ物でつなげた物です。

欠損部分の作り物の歯の下はトンネル状になります。ここから空気が漏れて、息が漏れる、話がしにくい、物が詰まる といった不備が出てきます。
すると一般の方は当然、 隙間を埋めて下さい となります。
これが前述の 素人から見たら簡単そうだが専門家から見たら難しい というケースに当たります。

欠損部分を埋めてブリッジを作った為に掃除ができず、汚れが溜まり、化膿してしまった症例です。
隙間を埋めてしまえば物がつまらなくなる様に感じます。
しかし実際は、粉を水で溶いた様な汚れ・細菌のかたまりがべったりとつきます。掃除もできません。
そして化膿します。

あまりにも痛みが強かった為、ブリッジを除去して、トンネルを作りました。

空気が抜ける 息が抜ける 発音できない 物も詰まる 埋めてほしい
と訴える患者さんは後を絶ちません。
気持ちはわかるのですが、患者さんの希望通りに治療すると、写真の様に必ず化膿します。
治療をしても決してもとには戻りません。治療には必ずリスクが伴います。
多少の不自由は残っても、化膿しない清潔な状態を保てる被せ物にする事を私は勧めます。
上記の様な事があるので欠損したときは、
骨を作り、インプラントを入れて、硬い歯茎(角化歯肉)を増大させる といった事をお勧めします。