大きな治療をすればする程、治療結果のリスクは高まります。
よって、あえて大きく削ろうとする歯医者はいません。
西洋医学の治療の基本は 病巣の完全除去 です。
患者さんが 小さい と思っているだけで、実は ものすごく発達した虫歯 というのは珍しくないのです。
「ずきずき痛い、眠れない程痛い、何もしなくても痛い」 と訴えて来院された患者さんです。

黒い小さな溝があるだけです。 レントゲンを撮ります。

神経に達する大きな虫歯があります。
虫歯は歯の内部で大きく成長する物なのです!
しかも、この様に大きな虫歯ほど、痛みは出ません。
なぜなら、虫歯が大きく成長するに従って、神経は後退して虫歯から距離をとるからです。
そして神経が後退しきれなくなり、虫歯が神経をとらえた時、激烈な痛みが出ます。
黒い溝から削っていくと、ボコッと天井が落ちました。中はグズグズになっています。
なんとか神経を残してほしい という気持ちもわかるのですが、 何もしなくても痛い という状況になった場合、炎症は神経に達し、回復する見込みは無く、神経はとるより他ありません。

それでも 「いや、削ってもらったのではない、削られたのだ。歯医者が儲ける為に削ったのだ」 という方に知ってもらいたい事があります。
それは、
「大きな治療をするほど材料費と技工費がかかり、利益は少なくなる。小さい治療を少ない回数でやった方が利益は大きい。」
という事です。
現在の歯科保険診療費は極度に削減されているので、大きな治療をする程、利益が少なくなる様にできています。
1・虫歯は入り口は狭く、内部で大きく広がる
2・大きく削る程、歯科医院の利益は少なくなる
この2つの事実を知れば、儲ける為に削っているわけではない事をご理解頂けるのではないでしょうか?
今日から診療開始です。
患者さんの誤解と不信を少なくする事を目的として、今年もブログをやっていこうと思います。