歯ぐきには硬い歯ぐき(角化歯肉)と軟らかい歯ぐき(歯槽粘膜)とがあり、角化歯肉の幅が多い程、歯やインプラントに炎症がおこりにくくなります。
論文の上では角化歯肉幅と歯周病には関係はないというものもあります。
とはいえ歯槽粘膜の方が角化歯肉より炎症が広がりやすいのは事実です。
インプラントを骨に入れると、硬い肉が不足するようになることが多々あります。
講師の先生は日本でも非常に高名な歯周病・インプラント専門医ですが、その先生もインプラントをやった場合、8割以上の症例で角化歯肉の移植(遊離歯肉移植術:FGG)をするそうです。
遊離歯肉移植術:FGGをするとこのようになります。 これは4週間程前に手術して、先週抜糸した症例です。
インプラントを3ヶ月前に埋入し、骨にくっついたので表に出してくる手術です。
術前


術前は頰の粘膜が歯ぐきの土手の頂上にまできています。頂上にはインプラントが埋まっています。
インプラントの周りがこのような頰の粘膜ですと、口を開け閉めするたびにインプラントの周りの歯ぐきがはがされて、インプラントとの境目に汚れが入り込んで炎症をおこしてしまいます。
術後のように白い硬いに歯肉 角化歯肉 がインプラントの周りにあると、口の開け閉めをしてもインプラントの周りから歯ぐきは引きはがされません。
この白くて硬い歯肉 角化歯肉は口の中の天井から取ってきて、インプラントの周りに移植します。
手術は決して気分の良いものではありません。
角化歯肉がなくてもインプラントは持つという話もあります。
しかし、メンテナンスを数年続けていくと、あきらかに角化歯肉の多い症例の方が歯やインプラントのもちが良いです。
Mさんおつかれさまでした。
もう、外科手術はありませんからご安心ください。
完成に向かってがんばっていきましょう!
上の歯も治療したいのですが、患者さんの希望で手をつけていません。
メリット・デメリットをお話しし、了解を得ています。