応急処置として、前歯を接着剤で止めて、下の歯がぶつからないように調整しました。

何故歯がグラグラになるほどの力が、ここにかかったのでしょうか?
かみ合わせを調べる 咬合器 と呼ばれる機器を用いて分析しました。

この咬合器には患者様の歯型を、患者様の顎の関節や筋肉にとって楽な位置を再現する場所 に装着してあります。
すると前歯は当たっていません。

右奥歯には強いあたりがあります。

左奥歯にも強いあたりがあります。

赤い印は歯のすり減りをあらわしています。
青い印は咬合器上で当たっている位置を示します。

顎の関節や筋肉がかみたがっている位置に口を閉じると、この青い場所に下の歯が当たってきます。
しかしそれでは口が閉じないので、下あごは奥歯を避けるようにして前へ動きます。
前へ動くとそこには前歯があります。
そのためその前歯に強い力がかかり、前歯が動き始めてきた。ということが考えられます。
イメージとしては 障害物Aを避けようとして車のハンドルを切ったら、その先には障害物Bがあり、障害物Bに激突してそれを破壊してしまった というところでしょうか。
症状と症状が出る原因の場所は、必ずしも一致しない ということをご理解ください。