例外も多々ありますが、その考えでほぼ間違い無いと思います。
しかし、本当の問題は別の所にあります。こちらの方がはるかに重要です。


左がレントゲン写真、右がその解説です。
横になっているのが親知らずです。
この親知らずのせいで、手前の歯の根の股から親知らずの頭にかけて骨がなくなっています。化膿しているので頻繁に痛みと腫れが起こります。よって抜歯は必要と思われます。
しかし、抜歯するとどうなるでしょう。緑の線の部分には骨が無くなるため、手前の歯の根が露出し、水や空気のちょっとした刺激でひどく凍みたり痛んだりします。
痛みや腫れは、患者さんもある程度覚悟しています。しかし、抜歯後の傷がある程度治った後、ひどく凍みることがあると、そのことに対して患者さんは強く不満をもたれることがあります。
この様な場合、虫歯は無くても神経を取ることがあります。では抜歯しなかったほうが良いかと聞かれると、そんなことは無いと思います。
抜歯しなければ、手前の歯を支える骨はもっと少なくなると思われるからです。
もう一つは神経の問題です。水色の線は神経の通る管を示しています。
この写真では親知らずの根の先は神経に触れていませんが、神経に触れている親知らずを抜歯すると、感覚麻痺が出ることがあります。
神経に触れている親知らずをどうしても抜歯しなければならない場合、当医院では大きな病院を紹介するようにしています。
まとめです。
親知らずの抜歯で注意することは
1.抜歯によって手前の歯が、虫歯でなくてもひどく凍みる事がある。
2.抜歯によって手前の歯がひどくしみるようになった場合、神経を取ることがある。
3.親知らずが神経に触れている場合、病院を紹介することがある。
「腫れや痛み」より この3つの事を、ぜひ気になさってください。