ということで来院された男性の方です。
残っている歯も半分はグラついていました。
私はインプラントを考えました。
しかし大きな問題がありました。
ヘビースモーカーだったのです。
タバコが如何に悪いものであるかを説明します。
胸をはじめとする全身への関与は省略し、歯科関連についてのみ記します。
1.まず、タバコに含まれるニコチンは歯茎の血流を悪くして
歯茎に酸素や栄養がうまく行き渡らないようにし、歯ぐきの抵抗力を弱め、
細菌と戦う白血球の働きを弱めます。
2.また、タバコによって
唾液の分泌が抑えられるため口の中が不潔になりやすく、
歯垢や歯石がつきやすくなります。
3.さらに、
傷ついた歯茎や骨を治そうとしている細胞にダメージを与えて傷の治りを悪くします。
4.その上、タバコにはニコチン、タールなど有害物質が200種類以上も含まれていて、
これらは歯茎の細胞を遺伝子レベルで破壊します。
5.タバコを吸う人の歯茎は黒く硬く厚みをおびています。そして歯周炎になっても
歯茎の腫れなどはなく、歯みがきで出血することもないので、一見丈夫に見えます。
これは、歯茎が強くなっているのではなく、免疫機能の低下で炎症が起こりにくくなっているのです。
つまり、防衛することすらできずにいるのです。
インプラントはすばらしい治療法ではありますが、あくまで人工物です。
手足に入れるボルトは外部に露出していないので感染しにくいですが、インプラントは半分骨に埋まり、半分は外部に露出しています。
タバコを吸っている人がインプラントを入れたらどうなるでしょう。
少なくとも耐久性(もち)は良くないと思います。
しかし、悲しい事実がもう一つあります。それは
命に係わるといわれた方はタバコをやめることができますが、
歯のためにタバコをやめることができた方は、ほとんどいない
歯のためにタバコをやめることができた方は、ほとんどいない
のです。
「タバコをやめるくらいなら歯なんか無くていい」
というのが喫煙者の本音のようです。
私はリーゲルテレスコープ義歯を提案しました。
(以下次号)
オペラデンタルオフィス 日本補綴歯科学会認定医
静岡県浜松市にある日本補綴歯科学会認定医(入れ歯・かぶせ物の認定医)の歯科医院。
入れ歯、特に部分入れ歯とかみ合わせを専門に勉強してきました。
現在ではインプラントと歯周病に力を入れております。
しかし、インプラントは外科治療であるがために、糖尿病・高血圧・高齢・その他全身疾患を持つ方は避けた方がよい場合があるのも事実です。
入れ歯、歯周病、インプラント、ホワイトニングに関するご相談のある方はご連絡下さい。